【ドクター監修】薄毛の相談ってどこでできる?その場所や聞くべき内容、ポイントを解説!
薄毛が気になっているものの、どこに相談すればいいかわからないという人もいるのではないでしょうか。相談せずに自分で間違ったケアを行ってしまうと、薄毛を悪化させるなど取り返しのつかない状態になってしまう恐れがあります。必ず、専門知識を持った人に相談しましょう。
そこで今回の記事では、薄毛の相談で利用すべき場所やそれぞれの特徴、相談できる内容などを紹介します。薄毛治療は早い段階で行うことが重要なので、ぜひ今回の記事を参考に早めに相談に行ってください。
薄毛の相談をする男性はどれくらい?
株式会社バルクオムのヘアケアに関する意識調査結果によると、薄毛を「既に気にしている」、もしくは「今はまだ気にしていないが、将来のことを考えると気になる」と回答した人が全国平均で62%となりました。つまり、半数以上の男性が薄毛を気にしているということになります。年代別だと20代67%、30代69%、40代66%、50代56%、60代55%となっており、若い年代ほど薄毛について気にする傾向があります。
一方、「 薄毛ケア(薄毛の予防や対策)としてどのようなことを行っていますか」という質問に対しては、「薄毛治療のできる病院や専門クリニックで治療する」は2.5%、「薄毛専門サロンに行く」と回答した人が1.4%、「美容室・理容室で相談する」と回答した人が3.4%でした。
薄毛に悩んでいる人は多いものの、相談や治療などの行動に移す人は少ないことがわかります。しかし、薄毛を本格的に改善していくには専門的な知識を持っている人に相談し、早期に治療を始めることが重要です。
では、専門知識を持った人にはどういった場所で相談できるのでしょうか。
薄毛の相談ができる場所とは
薄毛の相談ができる場所について解説します。
1.病院の皮膚科
病院の皮膚科では、薄毛を始めとした皮膚に関するあらゆる悩みを相談できます。
専門的な知識を持った医師が医学的根拠に基づいた診断をしてくれますし、診察した時点での病状に応じて薬を処方してもらえます。薄毛に関しても、医学的な見地から専門的な治療を受けられるので改善が期待できます。
ただし、一般病院の皮膚科は全身の皮膚に対応しており薄毛以外の分野も扱っているので、必ずしも薄毛に関して詳しいとは限りません。病院によっては最新の研究成果や技術の情報に精通していない可能性がありますし、発毛治療を行っていないところもあるので注意が必要です。
病院の皮膚科は、フケやかゆみなど、明らかに身体的な症状が表れており、医学的な処置が必要な場合などに受診するのがよいでしょう。薄毛の症状ごとに、病院の何科に行くべきなのかは以下の記事で解説しているので参考にしてください。
2.AGA専門クリニック
AGA専門クリニックとは、AGA治療(薄毛治療)に特化した医療機関のことです。一般病院の皮膚科よりも薄毛に特化しており、頭髪を専門とする医師に相談することができます。
AGA専門クリニックは薄毛・抜け毛に悩む患者だけに集中して治療を行っているので、さまざまな薄毛のパターン、症状、年齢などの症例データを保有しています。遺伝子や血液、ヘアチェックなどの検査を受けられるため、薄毛の状況や原因を正確に把握することができます。
さらに、最新の研究や技術などについても精通していることが多いですし、クリニックで薄毛に関する研究や最新機器の開発などを行っているところもあります。
薄毛の相談において明確な原因を知りたい場合や最新の治療を受けたい場合には、AGA専門クリニックを受診するのがよいでしょう。
3.美容院
美容室・理容室でも薄毛について相談することが可能です。定期的に同じ美容師に依頼している場合には、美容師は頭髪の変化に気づいている可能性があります。また、美容師のなかには薄毛に関して知識がある人もいるかもしれません。そのような美容師に相談すれば、ためになるアドバイスがもらえることもあるでしょう。
ただ注意したいのは、美容師は髪のカットやカラーなどの専門家であり、薄毛に関する専門家ではないということです。医学的な見地からの意見をもらうことはできないので、相談に対しての回答が正しいとは限りません。
日々のケアに関する相談や、カットやセットによる薄毛の隠し方の相談などを行うにはよいですが、薄毛の治療に関して相談をするのには向いていないでしょう。
専門家に薄毛の相談をするメリット
では、専門家に薄毛の相談をすることで、どのようなメリットを得られるのでしょうか?
1.薄毛の原因がわかる
原因がわからなければ薄毛に対処することができません。
専門家に相談することで薄毛の原因が明確になります。薄毛の原因としては男性型脱毛症(AGA)や円形脱毛症、脂漏性脱毛症などの病気が考えられますが、専門家に相談することで何が原因かを明らかにしてもらえるのです。
専門の機関であればデータが蓄積されていますし、医師による問診のほか遺伝子検査や血液検査、拡大鏡、ダーモスコピーなどを利用して検査してもらえます。薄毛の現状や原因を正しく診断してもらえるので、対処法を知ることができます。
2.的確なアドバイスがもらえる
専門家は頭皮や頭髪に関する知見を持っているので、医学的根拠に基づいた的確なアドバイスをもらうことができます。
原因に対してどのようなケアを行うべきか、自身に合った薬剤は何か、どれくらいの期間治療を行うのがよいのかなど具体的に提案してもらえるので、より効果的に薄毛改善のアクションを行うことができます。
睡眠、食生活、嗜好品など、日々の生活習慣についても正しい情報を得ることができます。現在はインターネットなどで情報を簡単に収集できますが、信頼できない情報も数多く存在します。間違った情報に従って自分でケアをすると薄毛が悪化してしまう可能性があるので、専門家に直接相談するのがおすすめです。
3.早く薄毛対策を開始できる
専門家に相談をすることで早く薄毛対策を開始できます。
薄毛の最大要因である男性型脱毛症(AGA)は歳とともに発症率が高まりますので、早めに対策を開始することで薄毛の進行を遅らせられる可能性があります。また、年齢を重ねると髪の毛が生え変わるサイクルが少なくなっていき発毛が促せなくなるため、早めから対策を開始するのがよいです。
自分で薄毛の進行状況を判断しても誤る可能性がありますが、専門家であれば的確に現状を判断してくれ、迅速に治療を開始してくれます。
薄毛の相談先の選び方
薄毛の相談先は何を基準に選べばいいのでしょうか?ここでは、薄毛の相談先の選び方を紹介します。
医療機関であるか
薄毛について相談するには、医療機関を選ぶとよいでしょう。薄毛はAGAや円形脱毛症、脂漏性脱毛症などによって引き起こされるので、医学に基づいた診断・治療が必要です。
また、日本皮膚科学会のガイドライン1)で定められているように、薄毛治療には内服薬(フィナステリド、デュタステリド)や外用薬(ミノキシジル)が有効ですが、医療機関でなければ医療用医薬品による治療ができません。
治療薬は個人輸入で入手することも可能ですが、日本で承認されていないものも多く、副作用が発生する可能性があるため、医師に処方してもらうのがよいでしょう。
1)眞鍋求, 坪井良治, 板見智 他, 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版. 日皮会. 2017, 127, 2763–2777.毛髪診断士がいるか
医療機関に毛髪診断士の資格取得者が在籍しているかも確認するのがおすすめです。
「毛髪診断士」とは、公益社団法人日本毛髪科学協会(JHSA)が運営する資格制度です。公式ページによると、「毛髪に関する知識と、顕微鏡などを使って毛髪の状態を的確に観察する技術を習得した」ことを証明する資格とされています。
医療機関であっても薄毛に精通していない可能性がありますが、毛髪診断士がいることで薄毛に関する専門的な診断・治療ができるということがわかります。クリニックのホームページなどで毛髪診断士が在籍しているか確認しましょう。
最新の治療法を行っているか
薄毛の相談先を選ぶ際は、最新の治療法を取り入れているかに着目しましょう。
薄毛治療は日々進化していて、画期的な発見がされたり新しい技術が開発されたりしています。そういった新しい治療法や機器を取り入れている医療機関を選ぶことで、より効果的な治療を受けられる可能性があります。
例えば、薄毛·AGA治療を行っているDクリニックとピクシーダストテクノロジーズ・日本医科大学形成外科学教室は、超音波による非接触振動圧の刺激を加えることでミノキシジル外用薬の発毛効果が高まるという研究成果をもとに、非接触振動圧刺激装置を開発しました。この装置は現在Dクリニックで試験的に導入されています。
また、こういったクリニックは最新の研究を日々チェックしており、最新の情報に基づいたアドバイスを行ってくれます。
無料相談に対応しているか
無料カウンセリングや無料メール相談も実施しているかを確認しましょう。無料相談がある医院であれば、治療の内容や効果、副作用、料金などについて事前に確認ができます。また、クリニックの雰囲気なども見ることができます。
専門クリニックとの契約や本格的な治療を検討していて、薄毛について専門家に相談したいという方は、必ず無料相談を利用して事前に確認をしましょう。オンラインカウンセリングを実施しているところもあるので活用してみましょう。
薄毛について相談すべきこととは?
相談先が決まったら実際に相談をすることになりますが、どのような内容を相談すべきでしょうか。
薄毛の原因
まず、薄毛が起こっている原因について相談しましょう。薄毛はその原因によって対処法が変わってきます。
例えば、男性型脱毛症が原因の場合には、ガイドライン1)にあるように外用薬や内服薬、LEDなどが有効ですし、脂漏性脱毛症の場合にはステロイドや抗真菌薬での治療が必要になります。さらに、円形脱毛症の場合にはアトピーやストレスへの対処が必要になります。
日常生活において見直すべきことなどもわかるので、薄毛の原因を確認しましょう。
薄毛の進行状況
薄毛の進行状況も確認しましょう。薄毛がどれだけ進行しているかを自分で判断するのは難しく、薄毛治療をいつスタートすべきかの判断も難しいと思いますが、進行状況を相談することでそれを知ることができます。
また、薄毛にはM字型やO字型、U字型などのタイプがありますが、薄毛の進行はタイプごとに異なります。自分がどのタイプでどれくらい薄毛が進行しているのかを知ることで、どれだけの緊急性が高いのかやタイプごとに行うべき対処がわかります。
いずれにしても、時間の経過にともなって薄毛が進行するので、早めの相談・治療が重要です。
最適な薄毛治療方法
自分にとって最適な薄毛治療の方法を相談しましょう。
薄毛の治療法によっては、自分に合わなかったり効果がなかったりするものがあります。症状や頭皮の状態、体質、遺伝などの情報をもとに、自分に最適な治療方法を提案してもらいましょう。その際には、副作用のリスクなども併せて聞くのがよいです。
さまざまな治療方法を実施しているクリニックであれば、幅広い選択肢から薄毛の状況や体質にあわせた最適な治療方法を提案してもらえます。男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版1)では、以下のように様々な治療法とその推奨度が掲載されています。
このような推奨度や効果を踏まえた上で、自分にとって最適な治療法を相談しましょう。
正しいケア方法
薄毛の相談をするときには、頭皮や毛髪の正しいケアの方法も教えてもらいましょう。専門家だからこそ、日常生活のなかで注意すべき点などを知っているはずです。
例えば、シャンプーはどんなものを選ぶべきか、生活習慣では何に気を付けるべきか、風呂上がりにはすぐに乾かすのがよいのかなど、日々の生活で対処できることを教えてもらいましょう。
Dクリニック新宿院長小山太郎先生の研究発表2)では、マッサージによる毛径の増大、薄毛改善の有効性が明らかにされています。薄毛に有効なマッサージ方法なども聞いてみるとよいでしょう。
2)Koyama T, Kobayashi K, Hama T, Murakami K, Ogawa R,頭皮マッサージが毛乳頭細胞へ物理刺激を伝え、毛径を増大させる可能性についてまとめ:薄毛について信頼できる場所で相談してみよう
薄毛について悩んでいる男性は多く、市販の育毛剤や育毛シャンプー、ヘッドマッサージなど、独自にケアを行っている人も多いと思います。
しかし、もしかするとその方法は間違っていたり効果がなかったりするかもしれません。むしろ、薄毛を悪化させている可能性さえあります。だからこそ、薄毛については信頼できる専門家に相談し、正しいケア方法を教えてもらうとともに、効果的な治療を施してもらうことが重要です。
すでに薄毛が進行していてストレスになっている場合には、医療機関や毛髪診断士がいるクリニックなどに相談しましょう。なかでも、最新の研究や技術に詳しいクリニックなどに相談するのがおすすめです。