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ストレスと薄毛の関係をドクターに聞いてみた!過度なストレスを避ける方法とは?

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監修ドクター
高田弘弥
日本医科大学形成外科学教室・抗加齢予防医学講座教授 医学博士・工学博士 【略歴】京都大学大学院工学研究科,名古屋大学大学院医学系研究科修了後,イギリス・ウォーリック大学,フランス国立科学研究所へ留学,日系化粧品会社所長代理・フランス系化粧品会社マネージャを経て,2018年より日本医科大学付属病院形成外科講師,現在同教授 【受賞歴】第11回世界毛髪研究会議(国際毛髪会議)最優秀賞(口頭発表部門),バルセロナ(スペイン),2019年など

男性ホルモンや物理的な刺激のほか、心理的なストレスも薄毛の原因と言われています。しかし、現代社会でストレスを感じず生きることは難しいですよね。

ストレスがどう薄毛に影響するのか、そして、過度なストレスを避けるためのアドバイスを日本医科大学形成外科学教室の高田弘弥先生にお聞きしました。

ストレスは薄毛の原因の1つ

ー ストレスと薄毛の関係について耳にすることがあります。実際、ストレスで薄毛になることはあるのでしょうか?

高田先生「はい。ストレスが薄毛の原因だというデータは結構とられていますし、ストレスは男性脱毛症の原因の1つとして挙げられます。その理由の1つが、ストレスを感じると筋肉が緊張して血流に影響することですね」

ー 前回の睡眠と薄毛の関係についてのお話でも、血流は頭皮にとって重要だと仰ってましたね。

高田先生「そうです。頭皮も含めて筋肉をほぐし柔らかくして、血行を良くすることが大事なんです。

それから、頭髪に関してもう1つ、注意点があります。一日中、頭の後ろ側で髪を1つに束ねていると、前頭側の頭皮が引っ張られて負担がかかり、血流が悪くなります」

ー 髪をぎゅっと結ぶのは、頭皮には良くないんですね。

高田先生「はい。頭皮にテンションがかからないよう、緩めたほうが良いと言われています。

また、精神的なストレスは全身に負担をかけるので、できるだけリラックスするように意識したほうが良いですね」

ー ストレスと薄毛の関係を裏付ける研究(1や、マウスを使ってストレスホルモンが髪の毛を作る細胞に影響するといった研究(2もありましたね。

高田先生「さすが、よくご存知ですね! 頭皮にとって、ストレスを避け、筋肉がほぐれてリラックスした状態を維持するのが良いと、私は思います」

1)株式会社マンダム「マンダム、ストレスが毛髪や頭皮に悪影響を与えることを発見」 2)Nature「幹細胞:ストレスが発毛に影響を及ぼす仕組み」

ストレスを最小限にするには他人と距離のとり方も大事

ー ストレスが良くないことはわかりました。ただ、現代社会においてストレスを受けないで暮らすのは難しいように感じます……。

高田先生「そうですね。人間が存在する限り、あらゆることがストレスになってしまうので難しいですよね。そんな中でも、少し心のゆとりを持つように意識すると良いのではないでしょうか」

ー 環境は変えられなくても、ストレスを感じないようにする工夫はできそうです。

高田先生「私の知人である教授は『相手を石だと思え』なんてよく言ってますよ。もし体のどこかに石が当たっても、石に対して怒る人はいませんよね。だから、なんでも石だと思えば怒ったり比べたりせずに済むと言って笑っています。心にそれぐらいのゆとりを持つようにしたら、きっとストレスは減りますよね」

ー 確かに、ある程度は他人を気にしないマインドを持つと、気持ちが楽になりそうですね。世の中にある悩みやストレスは、人間関係によるところも大きいですから。

高田先生「コント55号というお笑いコンビをご存知ですか? 萩本欽一さんと坂上二郎さんのコンビなのですが、現役の時には2人で一緒に食事をしなかったという話があるんです。

会話をして相手をよく知ってしまうと、お互いの好き嫌いがはっきり出てしまいますよね。相手の嫌な部分を知ってとことん嫌になっちゃうと、コンビの解散につながることも。

食事を一緒にしないからコント55号はコンビが長く続いたんだという話がとても印象的で、よく覚えています」

ー 仕事以外で利害関係がないんですね。

高田先生「そうなんですよ。周囲と関係性が薄すぎるのも深すぎるのもあまり良くないので、時々、相手が石だと思うくらいでちょうど良いのではないかと思います」

ー 距離感が近すぎると、相手の期待に応えようとしすぎてストレスになることもあるみたいですね(3。周囲とは、付かず離れずの関係が良いのかもしれません。

高田先生「ええ。それくらいが良いでしょう」

まとめ

やはりストレスは薄毛の要因になるということでした。薄毛を予防するために、できるだけストレスを減らすよう心がけることが必要ですね。まずは対人関係のストレスを減らすことに取り組んでみてはいかがでしょうか。

3)Harris, K. J., & Kacmar, K. M.(2006). Too much of a good thing: The curvilinear effect of leader-member exchange on stress. 

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