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頭皮ケア

【ドクター監修】薄毛が気になるメンズが”今”すべき頭皮ケアとは?5年先の髪を守ろう!

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監修ドクター
高田弘弥
日本医科大学形成外科学教室・抗加齢予防医学講座教授 医学博士・工学博士 【略歴】京都大学大学院工学研究科,名古屋大学大学院医学系研究科修了後,イギリス・ウォーリック大学,フランス国立科学研究所へ留学,日系化粧品会社所長代理・フランス系化粧品会社マネージャを経て,2018年より日本医科大学付属病院形成外科講師,現在同教授 【受賞歴】第11回世界毛髪研究会議(国際毛髪会議)最優秀賞(口頭発表部門),バルセロナ(スペイン),2019年など

照明など光の下で頭皮が見えたらAGAのサインかもしれません。

薄毛が気になってきて、頭皮ケアの必要性を感じている男性も多いのではないでしょうか。頭皮の状態が悪化すると、薄毛や抜け毛の進行につながります。特に男性は遺伝やホルモンの影響で薄毛になりやすく、女性よりも皮脂の分泌も多いため、頭皮環境が悪化しやすい傾向にあります。

そのため、薄毛が進行する前に早めの頭皮ケアをすることが重要です。この記事では、研究結果や論文などの信頼できる情報をもとに、将来の髪を守るために「今」しておきたい頭皮ケアの方法を紹介します。

頭皮と男性の薄毛の関係

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髪の毛は頭皮にある毛根で作られるため、頭皮の環境と深く関係しています。ここでは、男性の薄毛と頭皮がどのように関係しているのかを詳しく説明します。

頭皮は薄毛の原因に

男性の薄毛の大半は男性型脱毛症(AGA)なのですが、その原因として大きいのが「遺伝」です。日本皮膚科学会が発表している「男性型および女性型脱毛症ガイドライン2017年版」でも、AGAの発症には遺伝が大きく関与していると記載されています。AGAの原因の80%は遺伝1)とされています。

しかし、Dクリニック新宿(旧メンズへルスクリニック東京)の小山太郎院長の研究によると、同じ遺伝子の一卵性双子であっても薄毛の状況は(毛量の差は近いけども)必ずしも同一ではなく、あわせて治療効果も完全に同じとは限らないという結果でした2)

つまり、遺伝以外の20%因子が実際に大きく影響されることも無視できないのです。その因子の一つが、頭皮環境です。ホルモンバランスが崩れることで頭皮環境が悪化しますし、ストレスや偏った食生活、睡眠不足、喫煙などによっても頭皮環境に影響を及ぼし、男性の薄毛につながる可能性があるのです。

1) Nyholt DR, Gillespie NA, Heath AC, Martin NG, Genetic Basis of Male Pattern Baldness, J Invest Dermatol. 2003, 121, 1561-1564.

2) 2011年7月にイスラエルのエルサレムで開催された15th European Hair Research Society(第15回ヨーロッパ毛髪研究学会)で学会賞受賞。

頭皮ケアは薄毛予防になる

頭皮ケアをすることで、遺伝以外の原因による薄毛の改善が期待できますし、遺伝による薄毛の進行も抑えられる可能性があります。

大正製薬株式会社と明治薬科大学薬学部教授の共同研究では、AGA患者の頭皮にはAGA以外の男性の頭皮よりも皮脂成分のトリグリセリドやアクネ菌、マラセチア属菌が多いことがわかりました。この結果から、頭皮の皮脂や細菌がAGAの進行に影響している可能性が示唆されています。

だからこそ、頭皮ケアによって頭皮を清潔に保つことで、薄毛を引き起こす皮脂の分泌や細菌の繁殖を抑えることが重要なのです。

さらに、頭皮の血行不良も薄毛に影響します。髪の毛を作り出すのは、毛根にある毛母細胞という細胞です。この毛母細胞には血管から栄養が送られますが、その栄養の量で髪の毛の質が決まるため、頭皮の血行が悪くなると髪の成長が不十分になってしまうのです。

頭皮ケアを行い頭皮の血行を改善すれば、毛母細胞に栄養が行き渡り薄毛の予防につながります。

メンズの薄毛予防のための頭皮ケアの方法

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頭皮ケアは男性の薄毛の予防になりますが、ではどのような頭皮ケアを行えばいいのでしょうか。ここでは、薄毛予防につながる8つの頭皮ケア方法を、研究結果などの根拠とともに紹介します。

1.専門クリニック

本格的な頭皮ケアを行いたい場合は、専門のクリニックに相談するのが有効です。薄毛専門のクリニックでは、自分ではできない専門的な頭皮ケアを受けられます。

遺伝子検査や高精度マイクロスコープによる頭皮診断も受けられるので、薄毛リスクや自分の頭皮の状態を調べられます。 さらに、LED・超音波などの機械や、フィナステリドやデュタステリドなどの内服薬を用いた頭皮ケアも受けることができます。

医師による頭皮ケアを受けられるのは、専門クリニックならではの利点です。頭皮ケアに関するアドバイスも受けられるため、正しいケアを行いたい男性は専門クリニックを受診しましょう。

2.外用薬

外用薬による頭皮ケアも薄毛対策には有効です。特に、ミノキシジルという成分を含んだ外用薬がよいでしょう。

大正製薬株式会社の小友進氏の研究論文では、ミノキシジルには血管拡張や毛乳頭細胞の増殖などの作用があり、発毛・毛髪の成長促進といった効果が認められています。

日本皮膚科学会のガイドラインでも、AGAの治療に対して5%ミノキシジルの外用が強く推奨されており、薄毛予防のための頭皮ケアとして有効だといえます。

また、同ガイドラインでは発毛促進効果のある外用薬のアデノシンも薄毛改善に有効とされています。

ただし、薄毛の治療薬には効果が定かではないものも多いため、外用薬を使った頭皮ケアを行う場合は、効果と安全性が認められたものを使用することが重要です。

3.マッサージ

メンズの薄毛を予防するには、マッサージによる頭皮ケアも有効です。

Dクリニックの研究では、24週間にわたって毎日4分の頭皮マッサージをした部位の毛髪の太さが増大したという結果が確認されました。

また、花王株式会社ヘアケア研究所の行った研究では、マッサージ方法の違いによって血流に変化が見られました。様々なマッサージ手法が頭皮の血流に与える影響を調べたところ、「圧迫法」によるマッサージが最も血流上昇作用が高いことが明らかになっています。

マッサージは自分でも簡単にできる頭皮ケアなので、ぜひ毎日のケアに取り入れましょう。以下の記事では、頭皮ケアにおすすめのマッサージ機を紹介していますので、ぜひご覧ください。

4.頭皮洗浄

頭皮を清潔に保つために洗浄・ケアすることも、男性の頭皮ケアとしては重要です。頭皮の皮脂成分や細菌が薄毛の原因になることがあるからです。

株式会社資生堂が発表した「頭皮トラブルが毛髪物性に及ぼす影響と植物由来エキスによる予防」には、頭皮の皮脂分泌量が多いと頭皮トラブルが引き起こされ、毛髪形成が阻害されることがあると記載されています。

男性は女性よりも皮脂の分泌量が多いからこそ、頭皮を洗浄し清潔に保つことが重要です。

洗髪する際は、頭皮に汚れや余分な皮脂が残らないよう、シャンプーを十分に泡立てて丁寧に洗います。ただし、洗浄力が強いシャンプーは、頭皮トラブルの原因となる場合があるため注意しましょう。

5.ストレス改善

ストレスを改善することも、薄毛対策のための頭皮ケアになります。

近畿大学とリーブ21の研究チームが行った研究では、AGAの発症がストレスや生活習慣にも起因している可能性があることが発表されました。

ストレスを溜めないためには、睡眠や運動、日常での過ごし方が重要です。質のよい睡眠を取る、運動を行う、適度にリラックスする時間を設ける、日光浴や娯楽を行ってストレスを改善するなどしましょう。

6.食生活を見直す

食生活の見直しも、メンズの薄毛予防につながります。食生活が乱れていると、髪の毛の成長に必要な栄養が不足し、薄毛・抜け毛を悪化させる可能性があります。

薄毛を予防するには、毛髪の成長や頭皮の健康維持に必要なタンパク質、亜鉛、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB群などの栄養を摂りましょう。

また、薄毛予防のためには、男性が取りがちな脂肪の多い食事を控えることも重要です。東京医科歯科大学などによる研究では、高脂肪食の過剰摂取や肥満がマウスの脱毛症を促進することがわかっています。

脂肪の多い食事は皮脂の過剰分泌につながる可能性もあるため、栄養バランスの良い食事を心がけ、健康な頭皮を保ちましょう。

7.運動

メンズの薄毛を予防するためには、運動も取り入れましょう。

先述したように、肥満が薄毛の原因となるといわれていますが、運動をすることで肥満の予防につながります。

また、運動は頭皮の栄養不足の解消にもなります。株式会社アデランスの資料によると、運動をすることで全身の血流が促進され、頭皮への栄養補給につながり薄毛の予防効果が期待できることが記載されています。

運動はストレス改善にもつながるため、普段の生活に取り入れましょう。

8.禁煙

禁煙には男性の薄毛予防効果が期待できます。タバコに含まれるニコチンには、毛細血管を収縮させる作用があります。血管が収縮して血行不良になってしまうと、頭皮に栄養が行き渡りにくくなり、薄毛や抜け毛を進行させる可能性があります。

男性型脱毛症と喫煙との関連およびアジア人男性におけるその有病率という調査によると、喫煙によって毛髪の成長に欠かせない「毛包」という組織のDNAに損傷を与える可能性があることが記載されています。

禁煙することで頭皮環境を改善できるかもしれません。

注意!間違いがちなメンズ頭皮ケア

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ここまで解説したように、頭皮ケアをすることは薄毛の予防につながります。しかし、自己流の間違った頭皮ケアを行うと、薄毛を悪化させてしまう恐れもあります。ここでは間違いがちなメンズの頭皮ケアを紹介するので、誤ったケアをしないよう注意してください。

頭皮を叩くマッサージ

適度な刺激であればメンズの薄毛対策に有効ですが、叩くなどの過度なマッサージは行わないようにしましょう。

叩くような頭皮マッサージをすると、頭皮を傷つけてしまったり炎症を起こしたりなど頭皮トラブルの原因になります。

また、頭皮を叩くことで角質が厚く・硬くなって薄毛が進行する可能性もあります。ライオン株式会社の研究では、薄毛の人の頭皮は薄毛でない人の頭皮よりも硬い傾向にあるというデータが発表されています。そのため、マッサージする際には叩くのではなく、頭皮を柔らかく揉みほぐすようなイメージで行いましょう。

頭皮の洗いすぎ

頭皮の皮脂を洗い流そうとするあまり、何度も洗髪することは避けましょう。頭皮を洗いすぎると必要な皮脂まで落としてしまい、乾燥やフケ、かゆみ、薄毛などの原因になります。

また、頭皮が乾燥すると皮脂を補うために頭皮が過剰に皮脂を分泌するようになり、薄毛につながる恐れもあります。洗いすぎを防ぐためにも、洗髪は1日に1回までに留めておきましょう。

お湯で洗うだけでも汚れや皮脂は落ちます。汗をかくなどして2回以上洗いたい時は、シャンプーを使わずお湯で髪を洗うことをおすすめします。

頭皮へのブラッシング

ブラッシングも薄毛を進行させる恐れがあります。頭皮への過剰な刺激になったり、傷つけたりする可能性があるので、頭皮へのブラッシングは行わないでください。

頭皮に刺激を与えるブラッシングは良くありませんが、髪へのブラッシングには汚れを落とす効果があります。頭皮ではなく髪のみにブラッシングを行うようにしましょう。

薄毛が気になる場合はスカルプブラシの使用は控え、指の腹を使ってマッサージしながらシャンプーしましょう。

新技術!ミノキシジルと超音波で頭皮ケア

最新の頭皮ケアとして、ピクシーダストテクノロジーズではミノキシジルと超音波を使った研究に取り組んでいます。

ピクシーダストテクノロジーズと日本医科大学形成外科教室・Dクリニックが共同で行った研究では、超音波を用いて非接触で頭皮に振動圧刺激を与える技術により発毛を促進することが認められました。

臨床試験では、非接触振動圧刺激を頭皮に週1回、20分間照射することによって成長期毛割合が増加し、休止期毛割合が減少することを確認しました。これは、ミノキシジルの発毛作用と非接触振動圧の刺激による発毛作用が掛け合わさったのではないかと考えられます。

非接触振動圧なら直接触れないので、頭皮を痛めることなく発毛に必要な刺激を与えることができます。

非接触振動圧刺激と発毛治療に使用する塗り薬を併用した治療は、薄毛·AGA治療を行っているDクリニックに試験的に導入されています。薄毛が気になり始めた頭皮へのケアを検討する際に、ぜひ選択肢に入れてみてください。

Dクリニックの最新治療の詳細はこちら

まとめ:男性の薄毛には頭皮ケアを

男性の薄毛は、遺伝だけでなく頭皮の状態にも起因します。だからこそ、薄毛が気になる方はしっかりと頭皮ケアを行いましょう。

頭皮ケアには、専門クリニックのようにプロに任せるものから、自分でできるマッサージ、食生活やストレス改善など生活習慣の見直しまで様々な方法があります。

薄毛の進行度や予算など、自分にあった方法を行うようにしましょう。

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