頭皮ケアやスカルプケアといった言葉が一般的になっていますが、現代では自宅で頭皮ケアを行える機器・機械が多く販売されています。

頭皮ケアの機器や機械には、幅広い種類の商品があり値段にも幅があるので、どれを使えば良いのかわからないという人も多いと思います。また、効果が定かでない機器もあるので注意が必要です。

この記事では、頭皮ケアの機器・機械の種類を紹介するとともに、選び方や効果の根拠なども解説します。自宅での頭皮ケアを検討している人はぜひ参考にしてください。また、クリニックで利用できる頭皮ケアの最新の機械などについても解説します。

頭皮ケアに効果のあることとは？

頭皮ケアについては、様々な情報が世の中に流れています。しかし、本当に効果のある頭皮ケアの方法とは何なのでしょうか？ここでは、頭皮ケアに本当に効果があることを、研究成果や論文から紹介します。

マッサージ

マッサージは頭皮ケアとして有効です。

Dクリニックによる研究では、毎日4分の頭皮伸展マッサージを行ったところ、24週の時点で毛径の有意な増加が確認されました。

日本化粧品技術者会誌にある「地肌マッサージの頭皮への作用」では、頭皮においてはマッサージのうち圧迫法が最も血流上昇作用が高く、約3分間のマッサージで血行が約120％まで上昇し、20分程度持続することが確認されました。

さらに、ヘアメディカルグループ・日本医科大学形成外科・アンファー株式会社の共同研究グループは、「“振動圧刺激”そのものに発毛を促す効果がある」という研究成果を報告しています。つまり、マッサージの刺激そのものに発毛効果の可能性があるということです。

洗浄

頭皮を洗浄することにも効果があります。

「頭皮トラブルが毛髪物性に及ぼす影響と植物由来エキスによるその予防」では、頭皮トラブルの程度が高い人ほど頭皮の皮脂量が多く、毛髪のハリ・コシが弱いことがわかりました。だからこそ、皮脂を洗浄することが重要なのです。

また、フケは薄毛の原因になってしまうことがあります。フケが毛穴につまってしまうと、発赤やかゆみなどを起こすことがあります。

このように、頭皮環境の悪化が抜け毛にもつながると考えられています。だからこそ、フケを取るために頭皮や毛髪をシャンプーなどで洗浄することが大事なのです。すすぎ残されたシャンプーもフケの原因になることがあるので注意が必要です。

頭皮についた汚れや皮脂、フケを丁寧に洗うことで頭皮のトラブルを回避しましょう。

光・LED

光・LEDには発毛効果があることがわかっています。

日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」では、LEDの発毛効果には十分な根拠があり、副作用も比較的軽微であることからAGA治療に推奨されています。

アデランスの研究でも、超狭帯域の赤色LEDを照射することで発毛効果が確認できたそうです。このように、光やLEDは頭皮ケアとして有効なのです。

【タイプ別】自宅でできる頭皮ケア機器・機械

このような頭皮ケアに効果のあることを、自宅でできる機器があります。

こういった機器には、頭皮をマッサージするタイプ、頭皮を洗浄する洗浄機能付きのタイプ、LEDを利用したタイプなどがあります。ここでは、タイプ別に頭皮ケアの機器・機械を紹介します。

マッサージタイプ

マッサージタイプは頭皮の刺激に特化した機器です。頭皮に刺激を与えることで発毛を促します。頭皮ケアだけでなく、マッサージによるストレス解消やリラックス効果も得られます。ここでは3つの商品を紹介します。

リファ グレイスヘッドスパ

「リファ グレイスヘッドスパ」は、ローラーの傾斜角度や回転方向にこだわった製品です。立体的な電動ローリングにより、動かしにくい頭皮をしっかりつまみ上げます。

独自のクワトロ3Dローラーが、エステのプロの手技「母指回転揉捏法」の動きを再現。頭皮を連続的につまみ上げる「ツイストニーディング」を実現しています。毎分220回転の心地よい刺激のLOWモードと、毎分240回転の力強い刺激のHIGHモードの2つのモードを選べます。

さらに、頭皮に密着して心地よくつまみ上げる「ニーディングブラシ」と、頭皮の汚れを洗浄しながらつまみ上げる「クレンジングブラシ」の2つのブラシが利用できます。

JIS基準（IPX7相当）をクリアした防水仕様なので、バスタブ内やシャワー中でも使用可能です。

「リファ グレイスヘッドスパ」はこちら

頭皮エステ　サロンタッチタイプ〈スパイラル&スライド〉

「頭皮エステ　サロンタッチタイプ〈スパイラル&スライド〉」は、引き上げる・もみ洗うという2つのアタッチメントで頭皮をケアできます。

左右に大きくスライドする新しい動きを実現しています。頭部をストレッチさせ、つかみ洗いする「ストレッチブラシ」と、硬さの異なる3つのブラシが頭皮を力強くつかみ洗いする「密着もみ出しブラシ」の2種類があります。

ブラシが頭皮に密着し、毛穴の汚れを絞り出し洗浄してくれるのが特徴です。

「頭皮エステ　サロンタッチタイプ〈スパイラル&スライド〉」はこちら

デンキバリブラシ

「デンキバリブラシ」は、サロンクオリティの頭皮ケアを実現する、ブラシ型の低周波モバイル美容機器です。多くのエステティックサロン・ヘアサロンで導入されていたものを、一般向けに発売したものです。

1秒間に約1000回振動する32本のピンヘッドが低周波を発し、頭皮を刺激します。柔らかなシリコン製のブラシが細かい凹凸部分にもフィットします。

刺激レベル・周波数はそれぞれ4段階切り替え可能（組み合わせにより計16段階）になっているため、細かな強弱調整ができることも魅力な商品です。JIS基準（IPX7相当）をクリアした防水仕様です。

「デンキバリブラシ」はこちら

洗浄機能付きタイプ

洗浄機能付きタイプとは、シャンプー時に利用し振動で皮脂汚れや毛穴を洗浄する頭皮マッサージ機器です。

シャンプーでは落としきれない汚れや花粉などをかき出すとともに、皮脂を落とします。頭皮を清潔にすると同時に、頭皮に刺激を与えることができます。ここでは4つの商品を紹介します。

スカルプD メカノバイオ

「スカルプD　メカノバイオ」は、毛髪専門のクリニックを運営する株式会社アンファーの頭髪研究と、パナソニックの工学技術によって生まれた頭皮ケア機器です。頭皮を大きく動かすことを可能にした新発想のスカルプケアデバイスで、シャンプーをしながら心地よくヘッドスパができます。

シャンプーでは落ちない汚れや皮脂までしっかりと落とす、洗浄力の高い構造を実現。頭皮を動かし寄せ上げる「頭皮ストレッチブラシ」と皮脂や汚れを吐き出す「掃き出しブラシ」の二重構造で、頭皮を清潔に保ちます。

人間工学に基づいた頭部に合わせたカーブだからこそ、頭皮に密着しより頭皮全体を動かすことができます。

「スカルプD メカノバイオ」はこちら

LH スカルプヘッドスパ

「LH スカルプヘッドスパ」は、毛髪の問題に50年以上取り組むアートネイチャーが開発した頭皮ケア製品です。シャンプー時に使うことで、頭皮を徹底的に洗浄してくれます。

ブラシ先端には54個もの突起が頭の形に沿うようについているので、頭皮をくまなく洗浄できます。ブラシの回転で頭皮をケアするROLLERモードと、本体振動で頭皮の汚れを浮かせるTAPモードがあり、回転数や振動数を細かく変えることで、好みに合わせた刺激と洗浄が可能です。

「アートネイチャー LH スカルプヘッドスパ」はこちら

myse Head Spa Lift

ヤーマンの「myse Head Spa Lift」は、1台でヘッドスパもフェイスケアもできる商品です。

先端の324本の突起が髪をかきわけて頭皮をキャッチし、1分間に約57,600回の刺激で心地よく頭皮をケアします。本体は手のひらにフィットする握りやすい形状で、ブラシ部分は頭皮を包み込むラウンドフォームになっています。

JIS基準（IPX7相当）をクリアした防水仕様です。

「myse Head Spa Lift」はこちら

ルメント ヘッドスパ

「ルメント　ヘッドスパ」は、サロンやヘアメイクアップアーティストにも利用されているヘッドスパ機器です。ヘッドスパのプロのハンドテクニックを再現し、頭皮の汚れをかき出すとともに頭皮をマッサージできます。

4つのローラーが回転しながら頭皮をしっかりつまみ上げ、先端にある84個の突起が指先では届かない毛穴の奥に詰まった汚れを掻き出します。人間工学に基づいた独自の3D設計で、頭皮を上下左右の連続的な動きでしっかりと揉みほぐします。

「ルメント　ヘッドスパ」はこちら

LEDタイプ

LEDには育毛・発毛効果があると説明しましたが、LEDを使った頭皮ケアの機器・機械も発売されています。ここでは3つの商品を紹介します。

スパニスト（プロ）

アデランスの「スパニスト（プロ）」は、赤色LEDを搭載しているとともに4つのブラシが独立して動くことで、頭皮を効果的に刺激できるバスタイムエステ機器です。

サロンでのアデランス独自のハンドテクニックを再現しており、プロの施術と同じレベルを家で体験できます。毎分最大4000タッチで、毛穴に詰まった汚れをかき出しながら頭皮をもみほぐします。選べるモードは4種類で、スピード・振動を変化させることができます。

コードレス設計なのでお風呂場で使用できますし、持ち手がついているので指にもぴったりフィットし、手が疲れにくく使いやすいことも特徴です。

「スパニスト（プロ）」はこちら

LH スカルプEX

アートネイチャーの「LHスカルプEX」は、先進のテクノロジーを利用して頭皮ケアを考えた製品です。LEDとイオンモイスチャーで、毛髪と頭皮をケアします。

16本の電極がついており、頭皮と髪に程よい刺激を与えることができます。

LEDは、赤・黄色LEDの「REDモード」と青色LEDの「BLUEモード」の2つのモードを選択可能。

「スカルプEX」はこちら

へアリプロ SCALP LED EX

「へアリプロ　SCALP LED EX」は、アデランスとシャープが共同で開発したスカルプエステ機器です。プラズマクラスターイオンで潤いを与えるとともに、N-LED　beam®によって赤色LEDを照射します。

ヘッドスパニストの両手の動きを模した「ダブルかっさ」で髪をかき上げ、プラズマクラスターイオンとLEDを頭皮に送ります。

頭皮のうるおいを保ち、皮脂バランスを整えて頭皮環境を改善します。抗菌加工がついているので清潔に使うことができますし、コードレス仕様のためリビングや寝室など、電源を気にせずに頭皮ケアができます。

「へアリプロ　SCALP LED EX」はこちら

頭皮ケアの機器・機械の選び方

頭皮ケアの機器や機械を選ぶときには、効果が確かで信頼できるものを選ぶべきです。こういった機器の中には、頭皮ケアの効果が定かではないものもあります。低価格だからといって安易に選ばないようにしましょう。

ここでは、頭皮ケアの機器を選ぶ際に気をつけたい基準やポイントについて紹介します。

製造元・発売元をチェック

製造元が明記されているか、その企業の信頼性が高いか、発売元は信頼できる会社かを確認しましょう。製造元が記載されていなかったり、信頼できない会社が発売しているものは効果がない可能性があります。

機器・機械の開発に対して医師が監修している、発毛の治療実績がある発毛専門クリニックや大手企業が監修・発売しているものなどは信頼性が高いと考えられます。

信頼できる根拠があるか

機器の効果に対して、信頼できる根拠があるかを確認しましょう。発毛効果のある技術が使われているか、発毛や育毛の機能を裏付ける研究がもとになっているかを確認します。特に、医学的な根拠があれば、その発毛効果に信頼が置けます。

「脱毛症診療ガイドライン」で日本皮膚科学会が発毛効果を認めているのは、頭皮への刺激・LEDなどの光・外用薬となっています。こういった技術が利用されているかを確認しましょう。それ以外の機器・機械は効果が定かではない可能性があるので注意してください。

抗菌加工の有無

頭皮ケアの機器を選ぶときには、抗菌加工のものを選んだほうがよいです。

頭皮ケアを行うときには皮脂などが付着するので、機器を放置しておくと菌やカビなどが繁殖してしまう可能性があります。頭皮を洗浄する機器や機械が不潔だと、逆に頭皮に悪い影響を与えてしまう可能性があるので注意しましょう。

頭皮や髪の毛に直接触れるブラシ部分だけでなく、本体にも抗菌加工があるかなど確認しましょう。

海外からの転売品を選ばない

Amazonや楽天にあるような、海外からの転売品は選ばないようにしましょう。海外製のものは製造元がわかりませんし、その効果の信頼性が低いことがあるからです。

海外製の機器は低価格なことが多く、魅力的に感じるかもしれません。しかし、海外からの転売品を購入しても効果がなかった場合、費用が無駄になってしまいます。

日本製のものや海外製のものでも信頼性の高い会社が販売しているものを選びましょう。

レビューを参考にしすぎない

商品のレビューは実際に使った人の意見が聞けるのでとても参考になります。参考にすること自体は問題ありませんが、参考にしすぎるのはやめましょう。

レビューの中には、レビューの内容が恣意的に書かれているものがあります。また、内容が間違っていることもあります。レビューだけを参考にしてしまうと、思っていたのと違い商品を購入してしまうかもしれません。

レビューは参考にしすぎることなく、あくまで信頼性や効果、技術などをもとに選ぶようにしましょう。

専門クリニックで利用できる最新の頭皮ケア機械

薄毛やAGA治療の専門クリニックでは、最新の機械を導入しているクリニックがあります。ここでは、薄毛治療の専門クリニックで利用できる最新の機械を紹介します。

非接触振動圧刺激装置

ピクシーダストテクノロジーズと日本医科大学形成外科教室・Dクリニックが共同で行った研究では、超音波を用いて非接触で頭皮に振動圧刺激を与える技術により発毛を促進することが認められました。

臨床試験では、非接触振動圧刺激を頭皮に週1回、20分間照射することによって成長期毛割合が増加し、休止期毛割合が減少することを確認しました。

そしてこの研究を元に、ピクシーダストテクノロジーズは超音波によって非接触で頭皮に振動圧刺激を与える装置を開発し、薄毛·AGA治療を行っているDクリニックに試験的に導入されています。この装置と発毛治療に使用する塗り薬と併用することで、通常よりも早いスピードでの発毛が期待できます。

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LED照射器ヘアビーム

日本皮膚科学会のガイドラインでもLEDは推奨されていますが、赤色LEDを利用した装置が開発されています。

赤色LEDは630nmという波長の長い光なので、頭皮の奥深くまで到達します。発毛増殖因子の分泌を刺激し血流を促進することで発毛を促します。

AGAスキンクリニックでは、この赤色LEDを利用した装置「LED照射器ヘアビーム」が導入されています。

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まとめ：頭皮ケアでは信頼のおける機器、専門クリニックの利用を

頭皮ケアの機器や機械には、用途や仕組みによってさまざまな商品があります。用途や利用シーンに合わせて、自分にあった機器を選びましょう。機器を選ぶときには、その効果に対して根拠があり信頼できる販売元から購入するのがよいです。

また、自分で頭皮をケアできる機器だけでなく、最新の研究をもとに開発された機械も開発されています。こういった装置を利用することで、これまでにない効果を得られるかもしれません。装置を導入しているクリニックで利用してみましょう。