カラーやパーマをすると薄毛になるの?髪へのダメージをドクターが解説
カラーやパーマによって、髪のおしゃれを楽しんでいる人も多いでしょう。一方で髪や頭皮へのダメージが気になりますよね。
カラーやパーマは薄毛の原因となるのでしょうか。日本医科大学形成外科学教室の高田弘弥先生にカラー・パーマをする影響についてお話を聞きました。
パーマは髪のタンパク質を壊していた!
ー 髪のボリュームがなくなってきた場合、パーマをかける人も多いかと思います。でも当然、ダメージはありますよね。薄毛を予防したいなら、カラーやパーマはしない方が良いのでしょうか?
高田先生「無駄に髪に負担をかけないほうが良いと思います。パーマをかけたことがありますか?」
ー 1度だけあります。やはり髪は痛みましたね。
高田先生「パーマをかける際に、髪を引っ張りながらロッドで巻いてカールさせますよね。この作業は髪に負担がかかると思いますよ。
また、熱を当てるのも良くないです。熱は髪の毛のタンパク質のS-S結合を切ったり繋いだりします。髪の構造を変化させているので、すごくダメージはかかってきます」
ー アミノ酸が鎖のように結合してタンパク質になっていて、2つのアミノ酸が強固に結合している状態がS-S結合というのですよね?
高田先生「そうです。S-S結合が存在する髪の毛は強く弾力がありますが、結合を切ると弱くなります。なので、パーマをかけていると髪の毛が切れやすくなるでしょうね」
ー 切れ毛が多くなると、髪の量が減りますね。髪の形状を変えるヘアアイロンはどうですか? 毎日使っている人もいるかと思います。
高田先生「ヘアアイロンは髪の毛を引っ張りますし、熱を加えて髪の構造を変化させますのでダメージになります。やりすぎは禁物です」
ブリーチカラーは特にダメージが大きい
ー カラーはどうでしょう? カラーの場合は髪の構造を変えるわけではありませんよね。
高田先生「カラーは薬剤によって、髪への影響の度合いが異なります。例えば、ブリーチは、薬品を使って毛髪の中の色素を無理に破壊して脱色します。髪の構成要素が変わるため、髪が弱くなりますね。
さらに、脱色した髪にカラー剤で色を入れることもダメージになります。ブリーチやカラーによって、生えている髪の質は、確実に悪くなるでしょう」
ー カラーやパーマをする際には頭皮にも薬剤がかかりますよね。頭皮への影響はどうでしょうか。
高田先生「皮膚にない成分をつけることは、頭皮への負担になります。 元々皮膚には薬剤などを塗らなくても良いですからね。パーマやカラーの薬剤は当然、使わない方が良いです」
ー 生きていくために必要ではない成分は、負担になるんですね。ヘアスプレーやワックスもほどほどにします。
高田先生「そうですね」
ダメージを抑えながらおしゃれを楽しもう
ー 僕は白髪染めをしているのですが、今日のお話を聞いていたら「染めるのは辞めた方がいいのかな」と思い始めてきました。やっぱり髪は染めない方がいいですよね?
高田先生「一概に『染めてはいけない』とは言い切れません。なぜなら、最近は見た目の良さが医学的に重要視されているからです」
ー なるほど。人間は社会的な動物ですから、外見はQOL(クオリティ・オブ・ライフ)に大きくつながると言われていますね。
高田先生「はい。見た目の状態の善し悪しで精神状態がだいぶ変わりますね」
ー 白髪を染めると、気持ちも若々しくなりそうですね。
高田先生「そうでしょう。おしゃれをすると元気になりますし、自信もつきます。ダメージとプラスの効用のバランスを考えて判断することが重要です」
ー おしゃれは心の栄養ですね。
高田先生「もしパーマやカラーをするなら『できるだけ薬剤を頭皮から離す』『薬剤に触れている時間を短くする』『薬剤をよく濯ぐ』など、負担を軽減する工夫をすると良いでしょう。時々は頭皮を休ませることも大事です」
まとめ
パーマは髪のタンパク質を壊していたというのは衝撃的でした。またヘアスプレーやワックスもほどほどにした方が良さそうです。ダメージを最小限に抑えながらおしゃれを楽しんで、髪の健康とQOLのバランスを取るのがおすすめです。